98年8月  JEIDA駐在員・・・長谷川英一

グローバル・エレクトロニック・コマース
フレームワーク発表から1年(前半)-5-

(1年のゴール)

1) インターネット上でのプライバシー保護のためのルールと解決策の開発
 FTCが民間企業の努力は不十分と報告。商務省は進捗状況報告の期限が迫る中、今月このサブジェクトにつきサミットを開催する。

2)インターネットのタックス・フリーにつき国際合意を確保
日本は合意にサインをし、その合意は世界的にもジェネラルなサポートを受けている。WTOはオンラインで売られる情報への関税の1年間のスタンド・スティルを採択。

3) インターネットのタックス・フリーにつき連邦と州政府の合意を達成
インターネット・アクセス、オンライン・サービス、及びインターネット上で取引される情報に対する課税の3年間のモラトリアムのための法案がペンディング。

4) WIPOのデジタル・コピーライトに関する協定の批准
上院は協定を批准済み。協定を有効にするための法案につき、上院は通過、下院ではペンディング。

5) インターネット・ドメイン管理を民間へ移行し競争を導入
現行では、ドメイン名は政府との契約の下、ネットワーク・ソリューションズ社が一元的に割り当て。政権は管理を非営利のコーポレーションに移管するという計画を発表したが、国際的に誰がそのボードに入るかの合意を取り付ける必要有り。

6) 電子取引の認証ルールの開発
国際的な議論が続いており、統一した国家標準の適用はペンディング。

7) 子供に不適当と思われるコンテンツをふるい分けるインターネット・レーティングとフィルタリング・システムの開発
 いくつかの技術は開発されているが、効果については疑問有り。連邦のインターネット補助金を受けるためには、学校はコンテンツをふるい分けるソフトウェアをインストールしなければならないとする法制がペンディング。

8) Eコマースへのより一層の関与
政権は「GSA Advantage(連邦政府の調達窓口である総合サービス庁(GSA)が進める政府機関向けのオンライン・ショッピング・サービス)」を拡張したい。

(長期的ゴール)

1)インターネット・セキュリティーに係る国際標準の設定
政権は暗号技術の管理について民間企業とデッドロックに乗り上げたまま。

2)世界的なEコマースのためのシームレスな環境作り及び全ての人々へのアクセスの確保
国際的な議論が継続中。

3) 米国の特許政策をエレクトロニック・エイジのニーズに合うようにアップデート及び特許保護についての国際合意の追求作業中。

4) 電子技術標準の民間での開発の振興及び他国政府による標準強要への反対
国際的な議論が継続中。

5) エレクトロニック・ペイメント・システム開発のモニター及び規制の強要への反対
作業中。

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